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地震研究には文系出身者も必要?【地震】

2月3日パシフィコ横浜で行われた
第2回震災予防講演会「横浜の地震・津波をふりかえる
に参加してきました。
090112-2.jpg
会場:パシフィコ横浜

第2回震災予防講演会
「横浜の地震・津波をふりかえる
-来るべき地震に未曾有の称号を与えないために-」
の詳細はこちら(PDF)


ちなみに昨年も参加しています。

過去記事(2011/2/7):
津波被害の歴史を継承するきっかけとは?


今回は、プログラム中、武村雅之先生がお話しされた
ふりかえりの重要性」について投稿します。

takemura001.jpg
武村雅之先生

(出典)第16回震災対策技術展
武村先生略歴

まず、日本の地震防災研究の原点について
2人の研究者を中心にその流れをお話しされました。


============
①佐野利器
佐野利器
・関東大震災からからわずか約10か月後の1924年6月、
 建物の耐震基準策定に携わった。(これは世界でほぼ初めて)
 その際に、東京市(当時)の建築課長も兼任し、東京の復興に携わった。
・建築技術は地震現象の説明学ではないと主張していた。
 →地震予知などの地震現象が解明できなくても、
  建物の耐震にかかる研究は進めないといけない
詳細はWikipedia

②今村明恒
(wikipediaの画像貼る)
・地震学会(現在の日本地震学会の前身)において
 地震知識の交換と普及を目指した。
 普及のために、映画まで制作したらしい。
→それぞれの研究分野を超えた地震知識を交換することと
 世間に普及させることが目的。
・その後、私費を講じて南海地震のための測量所を設立し、
 その地震現象の測定を行った。
詳細はWikipedia
============


彼らの功績や強い意志を称賛された後、
以下のように地震研究者についてまとめられました。

※地震研究においては、理学系(物理学等)だけでなく、工学系(地震工学、建築学等)や
 文系(歴史学、社会学、経済学等)が含まれるとのこと。


・地震の(発生)予測は不可能である前提で研究すべきである。
(ご参考)
過去記事(2011/12/20):
【書評】日本人は知らない「地震予知」の正体

・過去のデータや経験則から地震動(地震のゆれのこと)や
 津波を研究すべきであり、震源の追及にこだわるべきではない。

→いわゆる地震学においては震源の研究が常に優先されたとのこと。

・研究においては歴史と地層記録調査を重視すべき。

・研究においては(理学系以外でも)専門家を育成すべき。
→東日本大震災後、大きな予算のついた地層記録調査の専門家は
 全国で5名程度しかいないとのこと。

(ご参考)
地震・津波の痕跡探る、新富の池でボーリング調査(2012/1/12 読売新聞)


最後に、「人がいるから震災(という災害)が作られるので、
(地震という物理現象でなく)人を中心に防災を研究すべきである」
と結論付けられました。

とても納得感のある発表であり、
このような動きが加速していくことを期待するとともに、
私たちも微力ながらお役にたてるよう取り組んでいきます。

また、武村先生のような考え方が少しずつかもしれませんが、
広まりつつあることもお伝えしておきます。

(ご参考)
過去記事:
東日本大震災で学ぶべきことまとめ①


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TAG : 地震 津波 耐震 地震工学 地震学 武村雅之 地震予知

M7級首都直下地震、4年内70%について【地震防災(一般家庭)】

1月23日衝撃的?な首都直下地震に関するニュースが流れました。

M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震研
(2012/01/23 読売新聞)

東京大学地震研究所(東大地震研)に確認したところ、
この記事は同研究所開催の第897回地震研究所談話会(2011年9月)で
発表された「首都圏地域における地震活動度の変化」が
元記事になっているとのことでした。

第897回地震研究所談話会


では、このニュースの解説をしてみます。

主なポイントは

①「4年以内に起きる可能性は70%」とは
 どのような基準で算出されているのか?

②政府の地震調査研究推進本部の発表している
 「今後30年間で70%程度」との相違の理由はどこにあるのか?

③M7クラスの地震がおきるとどれくらいの被害が出るのか?

というあたりではないでしょうか。


①と②については東大地震研から公式の見解が出ていますので、
こちらを参照いただくのが一番わかりやすいと思います。

2011年東北地方太平洋沖地震による首都圏の地震活動の変化について


③については政府の地震調査研究推進本部より
2004年に試算が出ています。

・建物全壊棟数・消失棟数 約850,000棟
・死者約 11,000人
・経済被害 約 112兆円

shutochokkahigai.gif
試算の詳細(首都直下地震の被害想定/PDF)

特に、東日本大震災と比較して被害が大きくなるのは
建物被害と経済被害であり、この経済被害の
甚大さについては以前もブログで指摘しています。

(ご参考・東日本大震災の被害状況との比較)
     東日本大震災  首都直下地震
建物全壊 約128,500棟 < 約850,000棟
経済被害 約20~30兆円 < 約112兆円

(ご参考・経済被害の甚大さについて)
過去記事(2010/7/6):
首都圏直下地震がおきたら都市としての「東京」はどうなるの?

M7クラスの首都直下型地震の揺れの大きさは、
阪神大震災時の映像からも読み取れます。

阪神淡路大震災 発生の瞬間(Youtube)


東大地震研では

首都直下地震のような直下型の地震の場合は,家屋の倒壊や家具の転倒による死者が8割を占めると言われています.実際,阪神・淡路大震災の時はそうでした.逆に言うと,耐震補強をして,家具を留めれば,8割も被害を軽減できるのです。

と指摘されています。

まずは、地震から命を守るために、
自ら地震対策を用意することが何よりも大切なのです。



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TAG : 地震予測 地震発生確率 東京大学地震研究所 首都直下型地震 巨大海溝型地震

淡路島の震災被害について考える(阪神・淡路大震災から17年を迎えて)【地震防災(地域)】

1月17日は阪神淡路大震災からちょうど17年となります。

ちなみに昨年は以下のようなブログを書いていましたが、
その後3月11日に東日本大震災が起き、
社会の地震防災に対する意識が大きく変わったのは周知の通りです。

過去記事(2011年1月17日):
地震の際に役立つ意外なモノとは?(阪神・淡路大震災から16年を迎えて)

さて、今回は阪神淡路大震災の被災地のうち、
あまり報道されていなかった淡路島の震災被害について書きます。

(画像)wikipedia
(画像)wikipedia

淡路島には北淡震災記念公園という
大震災を風化させないための施設があります。

北淡震災記念公園~野島断層保存~

(野島断層)
野島断層①野島断層②

(神戸の壁)
神戸の壁

先日、施設を見学したのですが、以下のような記事が目に留まりました。

「淡路島低い震災死者率」
新聞記事


気になって少し調べてみたところ、確かに阪神淡路大震災で
震度7が計測された地域(淡路島、神戸市、西宮市、宝塚市)のうち
最も死亡率が低かったのは淡路島でした。

阪神・淡路大震災地震の概要より
(画像)内閣府 阪神・淡路大震災教訓情報資料集


地域/被災時の人口※/死者数/死亡率

淡路/162,738/62/0.04%
神戸市/1,423,792/4,564/0.32%

尼崎市/488,586/49/0.01%
西宮市/390,389/1,126/0.29%
芦屋市/75,032/442/0.59%
伊丹市/188,431/22/0.01%
宝塚市/202,544/117/0.06%
明石市/287,606/10/0.00%

被災地計/3,219,118/6,392/0.20%
※平成7年国勢調査による
太字は震度7が計測された地域



ただし、記事によれば淡路の建物の全壊率は低くないとのことでした。


神戸市内の木造家屋全壊率は12%、全壊戸数に対する死者の割合は7%。
淡路島の北淡町は全壊率は44%、死者の割合は4%と記載されています。




建物が全壊したにもかかわらず、死亡率が低かったのは
どのような理由が考えられるでしょうか?


記事では、
・住民付き合いがよかったこと
・火災の発生が少なかったこと
が指摘されていましたが、私はこれに加えて、
・1世帯当たりの居住人数が都市部と比較して多いこと
があったことで、自然と被災直後に助け合うことが
できたのではないかと考えました。


地域の住民同士で助け合ういわゆる「共助」については
地震防災において欠かせないとされています。

しかしながら、「家族と一緒に暮らす」という
昔ながらの生活様式が、共助の第一歩であることを
実感させられました。


阪神淡路大震災から17年目となる今日、
離れて暮らしている家族との生活と防災について考えてみませんか?

共助
(画像)千葉県 自主防災組織の必要性


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【書評】日本人は知らない「地震予知」の正体【地震】

今回は久々に地震関連書籍の書評を投稿します。

jishinyochinoshotai.jpg
日本人は知らない「地震予知」の正体
双葉社 (2011/8/27)
東京大学理学部教授 ロバート・ゲラー


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(画像出典)東京大学大学院理学系研究科HP

冒頭、なぜ、ゲラー教授という米国人が日本の地震について語るのか?
ということについて触れられています。
ゲラー教授は、東大地震研におられた地震学の権威であった
金森博雄教授がカリフォルニア工科大に転身された際に知り合い、
その縁から1984年から東京大学理学部教授に就任されたそうです。

そのゲラー教授が、本書で最も主張されているのは
「地震予知が不可能である」ということです。


以下、各章の概要をまとめます。(「 」が本文の引用)

第1章 3.11「東日本大震災」の衝撃
・福島第一原発の事故は「事前になすべきことを怠った結果
 東日本大震災が未曾有の災厄へと発展してしまった。」
・東日本大震災は、地震学や地球科学の研究成果を
 的確に反映されていれば、東京電力および政府は
 事態を必ず『想定』できたはずである。
・「世界の地震活動と東北地方の歴史記録を考慮するならば、
 東日本大震災が『想定外』のはずがない。」

第2章 福島の原発事故は「想定外」だったのか?
・1990年に日本地震学会の学会誌「地震」(第43巻)で
 貞観地震津波の論文が掲載され、その規模が今回の
 東日本大震災と同規模であることが指摘されている。
・2009年の政府審議会の議事録にも福島原発の
 地震・津波対策についてその不十分性を指摘されている
・2011年5月、地震発生確率が高い(といわれている)浜岡原発
 緊急停止されたが、その他の原発が安全ということでは全くない

第3章 「予知はできない」と知っているのに知らん顔の御用学者たち
・地震予知について投入された国家予算の累計は3,000億を超えているが、
 「地震が予知できるという考えは、幻想にすぎない。」
・1962年からスタートした地震予知計画は、1964年の
 新潟地震をきっかけに国家プロジェクトとなった。
・地震予知学者が政治と癒着し、毎年予算が投入されたが、
 研究成果はゼロである。
・1977年に発表されたいわゆる『東海地震説』が国民の恐怖をあおり、
 地震を予知するとして予算を確保されていった。
・地震発生の『周期説(地震は周期的におきるとする説)』についても、
 学問的根拠は全くない
プレスリップを観測すれば、地震を事前に予知できるという説があるが、
 世界中でプレスリップが(事前に)観測されたケースはない
・地震がおきる過程は、複雑系であるカオス理論と考えられ、
 正確な予知は不可能である。

第4章 世にも不思議な地震予知を斬る
・地震予知の成果は、(成果の審査が厳密に行われる)学術誌ではなく、
 週刊誌などで発表されている。
・地震と因果関係のある前兆現象が多数報告されているが、
 いずれも因果関係が証明されていない
・「地震空白域説」も問題点が多い
・電流を観測・分析して地震を予知するというVAN法等も全く根拠がない

第5章 震災大国・日本の進むべき道
・地震予知推進本部が1995年の阪神淡路大震災をきっかけに
 地震調査研究推進本部に変更されたが、
 主要な研究者はほとんど変わっていない
・いわゆるハザードマップ(確率論的地震動予測)※は、
 「これまで一度も科学的な検証を受けていない。」
・「地震予知制度の根拠となっている大規模地震対策特別措置法(大震法)は
 即座に撤廃すべきである。」
・地震学者は地震災害を軽減するために
 ①地震発生後は、正確な情報を関係者に伝えること
 ②地震工学と耐震構造への応用

 に取り組むべきである。

※ハザードマップ(確率論的地震動予測)
hazardmap.png
引用元:防災科学技術研究所 地震ハザードステーション

ゲラー教授の指摘通り、地震対策に使われる
国家予算の割振り方や研究方法については、
再考の余地が大きくあることを実感させられました。

地震対策・防災関係の業務に従事されている方には
必読の書籍であると同時に、一般の生活者の方々も
予備知識なく読むことのできる書籍です。
時間のある時に一読いただくことをおすすめします。



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TAG : 地震 東日本大震災 地震予知 ハザードマップ 東海地震

住宅ローンを二重には払えません!では、その防止策ってあるの?【震災復興】

住宅ローンの債務は、地震などの自然災害によって
自宅が全壊した場合も、例外を除きそのまま残ります。
さらに新しく家を建て直す、もしくは賃貸に住まうならば、
その費用も自分で負担しなければなりません。

(ご参考)
過去記事:被災者の生活再建に一筋の光明?(2011/6/21)


この問題への対策として興味深い提案を見つけたので紹介します。

住宅ローンに地震免責条項をつけよう 山口浩


以下、上記ページの要点をまとめてみます。

二重ローンへの対策は大きく分けて、
事後対策と事前対策の二つが考えられます。


【事後対策】
企業には、法整備等により、事業者向けの債権を買い取り、
返済を一定期間猶予するといった対策が進められています。

個人に対しても以下のような対応がとられました。

個人債務者の私的整理に関するガイドライン(PDF)」
一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委員会

概要
私的整理の利用を促す(私的整理自体は元々あった)
・書類作成手続き・金融機関への説明を支援
・保証人に対する責任追及を制限

【事前対策】
二重ローン問題は1995年の阪神淡路大震災で
初めて広く認知されましたが、
東日本大震災で同様の問題が噴出してしまったことから、
事前対策はまだまだできていないといえます。

ここで山口さんは一つの案として

住宅ローン契約に、一定規模以上の地震が発生した際等に債務の一部または全部の免除を行う「地震免責条項」を付帯できるようにする

という提案をされています。
この対策案のメリット・デメリットをまとめてみます。

[メリット]
・日本の住宅の高い耐震性能を前提とすれば、債務の一部、
 たとえば1~2割程度の免除でもかなりの効果を持つ
・金利は上がってしまうので、任意選択性にする
・金融機関が地震リスクを考慮するきっかけとなる
・住宅ローンは大抵30年以内なのでその期間内にある程度普及可能


[デメリット]
・金利上昇だけでなく、総貸出金額も下がり住宅ローン利用が減少
・結果、住宅着工数が減ったり不動産価格が下落し経済に悪影響が出る


ただし、このデメリットは将来的に起こる巨大な損失を、
事前に前倒しで負担しているにすぎず、
本来あるべき姿になったというだけだと主張しています。

他の策として地震保険を50%以上にするということにも触れていますが、
著者の考えでは、これ以上の政府負担は難しく、
消費者負担にすると逆に地震保険離れを招きかねないと懸念しています。

これに関しては自由選択性にして、
かつこれまでの保険料率を変えなければ
反発は起きないのでは、と考えます。


【まとめ】
1つの策にとらわれず、こうした様々な角度からの対策を充実させ、
それを生活者に選択肢として与えることが必要だと思います。
地震補償保険「リスタ」も、二重ローンの事前対策の1つとして
もっと広く認知をさせる必要があると感じました。



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TAG : 東日本大震災 阪神淡路大震災 住宅ローン 二重ローン

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