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リノベーションとシェアについて考えた【耐震化推進】

4月22日(金)東京・品川で開催された
木の家リノベーション※頂上セミナーに参加してきました。

※リノベーションとは
(住宅を)修繕・補強・手直し・設備入替のリフォームに対し、
既存の建物を根本治癒し、今住む家の長寿化を図ること
とされています。
(セミナープログラム)

主催されたのは、以下の3つの組織です。
町の工務店ネット
既存建物耐震補強研究会
EOM株式会社

今回は、このセミナーの最後に登壇されました
町の工務店ネット代表でもある小池一三さんのお話について。

(小池さんについては以前も少しブログで書いています。)
過去ブログ:耐震改修の新しいマーケットはどこに?(2011/1/21)

主なお話は

・今回の大震災は津波震災であるとともに原発震災である。

・原発事故をきっかけに国のエネルギー政策が
 再考されるとともに、エネルギー全般への関心は
 以前にも増して高まっている。

・また、今後、原発の新設は難しくなり、
 エネルギー主権が地方に移るだろう。

・オール電化住宅は急速に普及したが、
 今後は?となるだろう。
 2002年13,000戸 → 2010年853,000戸 → 2011年?戸

・住宅に必要なエネルギーは、ある程度以上
 太陽光などの自然エネルギーでまかなえるのではないか?

・環境に低負荷となる住宅を建てるには
 当然のことながら、住宅の設計力が重要になる。

・全国の空家率は13.6%で、今後は20~30%へ上昇する
 この増え続ける空き家をうまく、リノベーションし、
 ローコストで提供できないか?

・ただし、金融(住宅ローンなど)、保険、保障が
 未整備であり、リノベーションの普及には時間がかかる


というお話でした。

住宅を新築するのではなく、
空き家となっている住宅をリノベーションし、
ローコストで提供するという考え方は、
住宅業界の様々な方が主張されています。

また、環境への負荷も、住宅を新築することと比較すると、
相対的には小さくなると考えられます。


ただ、金融、保険、保障が整備されれば、
住宅リノベーションは普及するのでしょうか?
問題はそれ以外にもあるのでは?と考えました。


これから住宅を購入しようする
20~30代の世代(いわゆる一次購入層)の
住宅購入に対するモチベーションは、
減少していく
ことは相違ありません。

これは、一次購入層となる世代の年収が
10年前と比較しても減少している、
という経済的な理由もありますが、
彼らの住宅に関する考え方が大きく変化しつつあることが
その背景にあるのでしょう。
(ご参考)
「10年前より200万円も減っている現在の30代給与」格差脱出研究所

彼らは
「なぜ、家に住まうのに、住宅を所有しなければいけないのか?」
という、根本的な部分について疑問を持ち始めているのです。

2010年12月「シェア」という本が
日本放送出版協会(NHK出版)から発売されました。

(ご参考)
シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略(レイチェル・ボッツマン)

この「シェア」で主張されていることは文字通り、
「商品・サービスを所有しなくても、共有することで、
その商品・サービスから得ることができる
満足を得ることができる」ということです。

住宅という商品?においても、
この「シェア」的な流れは加速していく
と思われます。
住宅リノベーションの推進については、
「住まい手がその住宅の所有することが必要なのか?」
という問題についても検討する余地があると考えました。


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テーマ : 住宅・不動産 - ジャンル : ライフ

TAG : 住宅 リノベーション シェア 耐震 地震

リバタリアン・パターナリズムが住宅品質を向上させる?【耐震化推進】

前回に引き続き、2月24日(木)JR有楽町駅近くの
東京国際フォーラムで行われた一橋大学政策フォーラム
「等身大の人間行動を考えた地震リスクマネジメントのすすめ」
に参加してきました。

20110301東京国際フォーラム 02110301一橋大学

このフォーラムは、いつも参加しているセミナーとは異なり、
行動経済学の観点から地震リスクに対する政策を考えるという、
住宅業界をマーケットとしている弊協議会にとっては、
参考にすべきフォーラムです。

この、以前書いたブログがきっかけで
フォーラムの事務局からお声かけをいただき、
参加させていただいたものです。(ありがたいことです。)
(参考)
過去記事:地震保険加入者の26%が望むものとは?(2010/10/29)


フォーラムでは、中川教授の講演の後、

竹内幹講師(一橋大学)
「空間認識と耐震性:アイトラッカーを用いた研究について」

佐藤主光教授※(一橋大学)「公的地震保険の普及促進に向けて」
※佐藤教授は事業仕分けでも活躍されていました。お疲れ様です。
(参考)
2010年11月4日「事業仕分けで考えたこと(地震再保険特別会計)

と続き、最後に齊藤誠教授※(一橋大学)が
「等身大の人間行動を考えた地震リスクマネジメントのすすめについて」
を講演されました。
※齊藤教授は週刊ダイヤモンド・オンラインでもお話しをされています。
(参考)
2011年2月10日「人々はなぜ地震リスクに目覚めないのか?

まず、「緩やかな介入主義」が、住宅ストックの
品質向上には必要であるとお話されました。

過去の住宅に関する政策は、
自由放任主義と干渉主義が繰り返されており、
干渉主義の弊害例として、耐震強度偽装事件をきっかけに
建築確認手続き厳格化、構造建築士の要件厳格化が行われ、
建築士の賃金拡大、マンションは供給不足による
価格向上という事例があったことを説明されました。

次に、なぜ建築基準法における耐震基準など、
下限である規制基準を行動様式として取り入れてしまうのうか?
という理由として

・政策側は政策効果を強調したい
・民間側は当局のお墨付きを持って本来の責任から回避する。

という傾向があり、その結果、
政府や生活者が損害を被る事態となりがちであると指摘されました。


そのうえで、どうすれば規制水準を上回るレベル
経済活動が生まれるかについては

人間の認識と選択の限界に十分に配慮する。
 基本的知識の提供は最も重要である。
(例)建築基準法の耐震性能について
→人のリスク認知の癖に配慮する。
リスク水準が過大に評価され、リスク変化は過少に評価される。)
→リスク認知の癖をうまく是正する仕組みを用意する。
高いレベルの「標準」を提示する。)

・リスク分担の仕組みを工夫する。
 (例:住宅ローンのノンリコース化
    =住宅購入者と金融機関が建物リスクを負担)

・質的な向上をビジネスとする供給者側の工夫

などが必要であることを指摘されました。

最後に、結論として、生活者が「なぜ」を問うこと
重要であるとされました。

なぜ、新築マンションの9割が耐震等級1なの?
なぜ、地震火災が火災保険で補償されていないの?
なぜ、二重ローンの悲劇が起こるの?
など…

まさにそのとおり、と深くうなずかされる講演でした。





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TAG : リバタリアン 地震 耐震 住宅 行動経済学 リスク

住宅の耐震化を爆発的に推進する秘策【耐震化推進】

2月24日(木)JR有楽町駅近くの
東京国際フォーラムで行われた一橋大学政策フォーラム
「等身大の人間行動を考えた地震リスクマネジメントのすすめ」
に参加してきました。

20110301東京国際フォーラム 02110301一橋大学

このフォーラムは、いつも参加しているセミナーとは異なり、
行動経済学の観点から地震リスクに対する政策を考えるという、
住宅業界をマーケットとしている弊協議会にとっては、
参考にすべきフォーラムです。

この、以前書いたブログがきっかけで
フォーラムの事務局からお声かけをいただき、
参加させていただいたものです。(ありがたいことです。)
(参考)
過去記事:地震保険加入者の26%が望むものとは?(2010/10/29)


今回は、そのフォーラムのうちの中川雅之教授(日本大学)の
「プロスペクト理論とマンションの耐震性能の選択」について。

※プロスペクト理論とは・・・
(定義)
人にとっての価値は財の水準ではなく、
評価の基準点からの変化によって決定する。
(具体的には)
・参照となる基準(参照点)に依存して価値を決定する。(参照点効果)
 (例)昼食でよく食べている牛丼の値段をもとに、
    今日食べる昼食の値段を決める。
・損失を回避したいという傾向が強くなる。(損失回避傾向)
 (例)昼食でよく食べている牛丼を下回るような
    値段、味となる昼食は食べたくない。
Wikipediaでの説明はこちら


まず、住宅の耐震基準(いわゆる新耐震基準)が意味するものとして

・新耐震基準で建てられた住宅は、
 震度6強の揺れの地震に「倒壊」しない強度を
 持っているが、相当に「損傷」はする。
  →命は守られるが生活は守られないことがある
新耐震基準で建てられた住宅は、
 震度6強を超える揺れの地震には、倒壊する可能性がある。
  →阪神淡路大震災の最大震度は7であった

と確認された上で、どうすれば、現行の耐震基準を超えるレベルの
耐震化への投資が行われるか、ということについて検討されました。


そこで、「新耐震基準の正しい情報を住宅購入者に与えた場合、
耐震基準を超えるレベルの耐震化投資が促進されるのではないか?」
という仮定のもとに行われた調査結果を発表されました。

この調査では、60%以上の人が
「(居住性能は低下しても※)耐震性能の向上を選び、
住宅価格は上昇も甘受する」を選択するとのことでした。
これは、正しい情報を提供する効果があることを
大いに証明しています。
※耐震性能の向上により居室の梁(はり)などが大きくなり、居住性能が低下するとのこと。
 さらに、自らの選好より高い参照点が与えられた場合、
 選好が変更されることを示唆されました。(詳細は複雑なので省略させてください。)


最後に、
現行の耐震基準を超えるレベルの耐震化を推進するには、
プロスペクト理論に基づいて、より高い質の選択を促す選択構造を
提示すればよいのでは、という問題提起を行われました。

具体的には

耐震等級説明の仕方を変更する
(例)
耐震等級1の住宅が震度6強のゆれで倒壊する確率は1.3%であり、
耐震等級3の住宅の65倍の確率で倒壊する確率がある。
(耐震等級3の確率は0.021%)
 (参考)
被害発生確率を用いた耐震等級の説明の有効性(PDF)
(佐々木健人、小檜山雅之)

耐震等級表示を変更する
(例)
標準耐震等級-2(現行:耐震等級1)
耐震等級-1(現行:耐震等級2)
標準耐震等級(現行:耐震等級3)

参照点効果と損失回避傾向から低い耐震等級を選択することが
回避される可能性が高いとのことでした。
まさに「なるほど」と会場全体をうならせるプレゼンでした。

中川教授、本当にためになる講演をいただき、ありがとうございました。


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TAG : 地震 耐震 住宅 プロスペクト理論 耐震基準 耐震等級 参照点効果 損失回避傾向

補助金があっても住宅耐震化は進まない?【耐震化推進】

前回に引続き、
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(以下、木耐協)から
木造住宅の耐震に関する調査データ」について書きます。

(ご参考)「木造住宅の耐震に関する調査データ」全文


1.自治体の助成制度について(P8、P9)

耐震診断の受付件数は、
診断費用の助成制度のある自治体の住民からの診断申込が
全体の89.79%と圧倒的多数であるとされています。

これは、単純に、そもそも助成制度があるほうが、
住民の診断にかかる費用が軽減されるということに加え、

 ・助成制度がある自治体が、助成制度について
  何らかのPRを行っているため、住民の意識を喚起している
 ・その自治体が所在するエリアの地震リスクが
  相対的に高いと仮定される

なども理由として考えられます。


ただ、助成制度の有無と工事実施率の関係では、
1960年以降に着工されている住宅では、
工事実施率に明確な差が生じていないよう見て取れます。

この原因のひとつには、
 ・1986年以降着工の住宅は多くの自治体の
  助成制度の対象外であること
 (1960~1985年着工の住宅はほぼ助成制度の対象)
が挙げられると思いますが、
助成制度を充実したからといって
工事実施率が向上するとはいえないという結果になっています。

ということは、自治体に加え、
国が新たに実施を予定している補助金制度の効果は
限定的になるかもしれません。


また、1960年以前に着工された住宅の工事実施率が高いのは、
やはり建物の劣化が進んでいることで、
補強工事の必要性を居住者が自覚している割合が
比較的高かったのでは?と考えます。

(ご参考)耐震診断・改修の相談窓口一覧(財団法人日本建築防災協会さん)



2.住宅ローン減税(P10、P11)
現行の住宅ローン減税※1は、一定の条件※2を充たした
新築でない住宅(中古住宅)を購入した際にも適用されます。
やはり、「減税」は生活者に響くキーワードに違いありません。
なので、「減税」をPRすることで
中古住宅の新規取得と耐震化をすすめていくのが、
住宅の耐震化を推進するひとつの方法であるような気がします。

※1住宅ローン減税制度の概要(財務省)
※2以下のいずれかを充たすというもの
・建築後20年以内(耐火建築は25年以内)
・現行の耐震基準に適合している(=耐震評点1.0以上である)




最後になりますが、詳細なデータを公表いただきました
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合様、ありがとうございました。



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TAG : 耐震 木耐協 地震 地震保険 木造住宅 在来工法 大地震

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