スポンサーサイト【スポンサー広告】

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



シェア

住宅ローンを二重には払えません!では、その防止策ってあるの?【震災復興】

住宅ローンの債務は、地震などの自然災害によって
自宅が全壊した場合も、例外を除きそのまま残ります。
さらに新しく家を建て直す、もしくは賃貸に住まうならば、
その費用も自分で負担しなければなりません。

(ご参考)
過去記事:被災者の生活再建に一筋の光明?(2011/6/21)


この問題への対策として興味深い提案を見つけたので紹介します。

住宅ローンに地震免責条項をつけよう 山口浩


以下、上記ページの要点をまとめてみます。

二重ローンへの対策は大きく分けて、
事後対策と事前対策の二つが考えられます。


【事後対策】
企業には、法整備等により、事業者向けの債権を買い取り、
返済を一定期間猶予するといった対策が進められています。

個人に対しても以下のような対応がとられました。

個人債務者の私的整理に関するガイドライン(PDF)」
一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委員会

概要
私的整理の利用を促す(私的整理自体は元々あった)
・書類作成手続き・金融機関への説明を支援
・保証人に対する責任追及を制限

【事前対策】
二重ローン問題は1995年の阪神淡路大震災で
初めて広く認知されましたが、
東日本大震災で同様の問題が噴出してしまったことから、
事前対策はまだまだできていないといえます。

ここで山口さんは一つの案として

住宅ローン契約に、一定規模以上の地震が発生した際等に債務の一部または全部の免除を行う「地震免責条項」を付帯できるようにする

という提案をされています。
この対策案のメリット・デメリットをまとめてみます。

[メリット]
・日本の住宅の高い耐震性能を前提とすれば、債務の一部、
 たとえば1~2割程度の免除でもかなりの効果を持つ
・金利は上がってしまうので、任意選択性にする
・金融機関が地震リスクを考慮するきっかけとなる
・住宅ローンは大抵30年以内なのでその期間内にある程度普及可能


[デメリット]
・金利上昇だけでなく、総貸出金額も下がり住宅ローン利用が減少
・結果、住宅着工数が減ったり不動産価格が下落し経済に悪影響が出る


ただし、このデメリットは将来的に起こる巨大な損失を、
事前に前倒しで負担しているにすぎず、
本来あるべき姿になったというだけだと主張しています。

他の策として地震保険を50%以上にするということにも触れていますが、
著者の考えでは、これ以上の政府負担は難しく、
消費者負担にすると逆に地震保険離れを招きかねないと懸念しています。

これに関しては自由選択性にして、
かつこれまでの保険料率を変えなければ
反発は起きないのでは、と考えます。


【まとめ】
1つの策にとらわれず、こうした様々な角度からの対策を充実させ、
それを生活者に選択肢として与えることが必要だと思います。
地震補償保険「リスタ」も、二重ローンの事前対策の1つとして
もっと広く認知をさせる必要があると感じました。



シェア

テーマ : 雑学・情報 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 東日本大震災 阪神淡路大震災 住宅ローン 二重ローン

東日本大震災の復旧、復興に役立つ新常識とは?【震災復興】

今回は京都大学防災研究所牧紀男准教授(以下、牧先生)が
執筆された「災害の住宅誌」※について紹介します。

災害の住宅誌(鹿島出版会)


ちなみに、牧准教授については
以前もシンポジウムでのお話しをお聞きしています。
(ご参考)過去記事:高知市の長期湛水被害について(2010/6/29)


まず、前書き「はじめに」で重要な疑問を提起されています。

『「災害に見舞われると人は移動するのだ」という筆者の狙う仮説を
 確認することも視野に入れ、その検証のため書かれたものである』
とあります。

この疑問を言い換えると、災害に見舞われた被災者は住居を移動し、
将来の災害から被害を受けることを防ぐ、ということであり、
違和感を感じる人もいらっしゃるでしょう。


牧准教授は1923年の関東大震災や被災を受けた
海外の被災地での住宅の移転事例を紹介しつつ、
(被災を受けた)元の場所で住まいを再建するという考え方は、
1995年の阪神淡路大震災以降でてきた新しい考え方であり、
地震災害の少なかった終戦後に生まれた幻想でないか?
と指摘をされています。


また、日本国内では人口減少が始まっていることもあり、
被災地を被災前より復興させるということは非常に困難である、
という指摘をされています。

阪神淡路大震災後の神戸市や、
2004年の新潟県中越地震以降の山古志村の事例を紹介しつつ、
被災前まで復旧させることが限界なのではないか?とされています。

なので、災害からの回復レベルを
①災害前より良くする
②災害前と同じ水準にする
③災害前のレベルには戻さない


と3区分に分類し、②災害前と同じ水準にする、を基準としつつも、
地域によっては③災害前のレベルには戻さない、
という判断も必要ではないか?と指摘をされています。


また、持家制度についても鋭い指摘をされています。

・日本国内では、古来から1970年ごろまで
 住宅の形態は「借家」が主流であったのだが、
 1970年以降「持家」比率が向上している
・「持家」比率が向上することは、その一方で
 災害からの住宅の移動を妨げている

などなど

まだまだ、紹介しきれない指摘事項が記載されています。

本書は、東日本大震災の復旧、復興活動にも重要な示唆がつまっています。
一度、読んでみられることを強くお勧めします。


シェア

テーマ : 雑学・情報 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 災害 地震 住居 すまい 復旧 復興 震災 東日本大震災

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。