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【書評】日本人は知らない「地震予知」の正体【地震】

今回は久々に地震関連書籍の書評を投稿します。

jishinyochinoshotai.jpg
日本人は知らない「地震予知」の正体
双葉社 (2011/8/27)
東京大学理学部教授 ロバート・ゲラー


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(画像出典)東京大学大学院理学系研究科HP

冒頭、なぜ、ゲラー教授という米国人が日本の地震について語るのか?
ということについて触れられています。
ゲラー教授は、東大地震研におられた地震学の権威であった
金森博雄教授がカリフォルニア工科大に転身された際に知り合い、
その縁から1984年から東京大学理学部教授に就任されたそうです。

そのゲラー教授が、本書で最も主張されているのは
「地震予知が不可能である」ということです。


以下、各章の概要をまとめます。(「 」が本文の引用)

第1章 3.11「東日本大震災」の衝撃
・福島第一原発の事故は「事前になすべきことを怠った結果
 東日本大震災が未曾有の災厄へと発展してしまった。」
・東日本大震災は、地震学や地球科学の研究成果を
 的確に反映されていれば、東京電力および政府は
 事態を必ず『想定』できたはずである。
・「世界の地震活動と東北地方の歴史記録を考慮するならば、
 東日本大震災が『想定外』のはずがない。」

第2章 福島の原発事故は「想定外」だったのか?
・1990年に日本地震学会の学会誌「地震」(第43巻)で
 貞観地震津波の論文が掲載され、その規模が今回の
 東日本大震災と同規模であることが指摘されている。
・2009年の政府審議会の議事録にも福島原発の
 地震・津波対策についてその不十分性を指摘されている
・2011年5月、地震発生確率が高い(といわれている)浜岡原発
 緊急停止されたが、その他の原発が安全ということでは全くない

第3章 「予知はできない」と知っているのに知らん顔の御用学者たち
・地震予知について投入された国家予算の累計は3,000億を超えているが、
 「地震が予知できるという考えは、幻想にすぎない。」
・1962年からスタートした地震予知計画は、1964年の
 新潟地震をきっかけに国家プロジェクトとなった。
・地震予知学者が政治と癒着し、毎年予算が投入されたが、
 研究成果はゼロである。
・1977年に発表されたいわゆる『東海地震説』が国民の恐怖をあおり、
 地震を予知するとして予算を確保されていった。
・地震発生の『周期説(地震は周期的におきるとする説)』についても、
 学問的根拠は全くない
プレスリップを観測すれば、地震を事前に予知できるという説があるが、
 世界中でプレスリップが(事前に)観測されたケースはない
・地震がおきる過程は、複雑系であるカオス理論と考えられ、
 正確な予知は不可能である。

第4章 世にも不思議な地震予知を斬る
・地震予知の成果は、(成果の審査が厳密に行われる)学術誌ではなく、
 週刊誌などで発表されている。
・地震と因果関係のある前兆現象が多数報告されているが、
 いずれも因果関係が証明されていない
・「地震空白域説」も問題点が多い
・電流を観測・分析して地震を予知するというVAN法等も全く根拠がない

第5章 震災大国・日本の進むべき道
・地震予知推進本部が1995年の阪神淡路大震災をきっかけに
 地震調査研究推進本部に変更されたが、
 主要な研究者はほとんど変わっていない
・いわゆるハザードマップ(確率論的地震動予測)※は、
 「これまで一度も科学的な検証を受けていない。」
・「地震予知制度の根拠となっている大規模地震対策特別措置法(大震法)は
 即座に撤廃すべきである。」
・地震学者は地震災害を軽減するために
 ①地震発生後は、正確な情報を関係者に伝えること
 ②地震工学と耐震構造への応用

 に取り組むべきである。

※ハザードマップ(確率論的地震動予測)
hazardmap.png
引用元:防災科学技術研究所 地震ハザードステーション

ゲラー教授の指摘通り、地震対策に使われる
国家予算の割振り方や研究方法については、
再考の余地が大きくあることを実感させられました。

地震対策・防災関係の業務に従事されている方には
必読の書籍であると同時に、一般の生活者の方々も
予備知識なく読むことのできる書籍です。
時間のある時に一読いただくことをおすすめします。
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テーマ : 雑学・情報 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 地震 東日本大震災 地震予知 ハザードマップ 東海地震

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