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津波被害の歴史を継承するきっかけとは?【地震防災(津波)】

2月4日パシフィコ横浜・アネックスホールで行われた
第1回震災予防講演会「大地震襲来の予感2010年チリ地震を巡って
に参加してきました。

「大地震襲来の予感2010年チリ地震を巡って」の詳細はこちら(PDF)

今回から2回にわたり、講演内容のまとめと感想を書きます。

まず、講演会では首藤伸夫教授(東北大学)が
「50年前の記憶:1960年チリ津波について」をお話しされました。
この首藤さんは1960年チリ津波をきっかけに
津波研究を始められた筋金入りの研究者だとのことです。

お話しをいただいた主なところは以下の通り。
(一部抜けている部分はご容赦ください)


・ この津波は死者約140名、罹災約160,000名、経済損害350億
 (当時の国家予算の2.2%)という甚大な被害があった。

・ この津波は「自然の掟」と「世間の掟」の差が生まれたきっかけとなった。
 (集落の長老の経験が生かされず、権威が失墜したらしい)

・ 三陸を中心に、湾口の奥に深いところほど共振し、津波が大きくなった。

・ この津波で被害を受けたハワイでも警報が出たが、
 1952年、1957年に出た警報では被害が小さかったので、
 警報を軽視し、被害が拡大した。

・ ニュージーランドでは、マオリ族系の住民は
 引き潮などの現象を不気味がり海に近づかなかったが、
 欧州系の住民は海に近づき、被害を受けた。

・ 流出した材木により、家屋が被害を受けたが、
 現在も国内の主要港湾でも対策が採られていない

・ 魚とりや見物に出かけて被害を受けた人も多い。
・ 北上川では船火事が発生したが、港湾に係留されている
 船舶への対策は現在も採られていないところが多い。

・ 津波では海上に敷設された上下水道の送水管の被害も
 想定しなければならない。

・ ガソリンスタンドなどから流出するガソリンで
 津波火災も発生することに注意しなければならない。

・ 構造物(防潮堤など)もメンテナンスしないと劣化し、効果を発揮しない。

・ 1997年に総合的津波対策が策定されているので参照してほしい。

ただ、津波被害を軽減する最大の問題は「人間」であるとされ、
時間の経過が津波の教訓を風化させるとの指摘が
最も心に残りました。


説明された「時間の経過」とは

津波後6年…被災者のPTSDが固定化する
         →これまでに被災者は津波のことを忘れる必要がある。
津波後8年…被災者が行政に津波対策を要望する時間的限界。
津波後10年…被災前に復旧するため、記憶の風化が進む。
津波後15年…被災体験が生活に生かされなくなる。
津波後30年…防潮堤などの構造物の劣化が進み、
         本来の構造物の効果を発揮しなくなる。

というものです。
これでは、過去の教訓が継承されなくなるのも無理はありません。

そこで、20年毎に津波対策をハード面、ソフト面の双方で見直すことが
重要であるとされ、例として伊勢神宮の式年遷宮を挙げられていました。

これは、「なるほど」と思わされると同時に、
津波をはじめとした地震対策の定期的な見直しの重要性を
実感させられました。
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テーマ : 雑学・情報 - ジャンル : 学問・文化・芸術

TAG : 津波 地震 地震保険 震災 大地震 チリ 三陸

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